日本は楽でも難しくもないグループに入ったと思いますよ。
カメルーンはアフリカ勢の中ではよく当たっていて相性がいい、そしてかつてほど勢いがないので、正直勝てる可能性はありますよ。
オランダは、まぁ名前だけ見りゃ豪華ですが、彼らが最近なぜタイトルを取れないかを研究すればいいんじゃないですかね。この前当たったからある程度実力わかってるだろうし。
デンマークが個人的に一番気になる。
ラウドルップ兄弟はもういませんが、監督のオルセンは2000年から指揮を採っているから、組織的に洗練されていて、僕はここが一位突破すると見ています。ポルトガルやスウェーデンを差し置いて欧州予選ストレートイン、って事実がすべてを物語ると思います。

ぶっちゃけ、日本なんてよっぽど組み合わせに恵まれない限りは大穴なわけです。
他人の研究をするとともに大事ですが、自らを磨くことも忘れてはいけませんね。これはこのあと書きますが。

今のところ、岡ちゃんは、少なくともとてもうまく言ってるかと問われたら、NOと自信をもって言える。
ブラジル、ポルトガル、コートジボワールのいるグループG、普段恵まれるドイツや、開催国の南アフリカすら組み分けに恵まれなかったことを考えれば、今回は割と公平だったと思いますよ。
楽なのは、アルゼンチン、イタリア、スペインあたりくらいじゃないかな?

で、過去の大会にあった超超死のグループみたいなのはないので、決勝トーナメントからはレベルの高い戦いが期待出来そうで、それは楽しみですね。



オシムについて

スカパーで抽選会をご覧になった方ならお分かりでしょうが、あのスタジオの雰囲気は正直カオスでした。
倉敷さんでも掌握できていなかった。

なぜかというと、オシム以外の解説者の方がとりあえず決勝トーナメントにどう進めるべきかというベクトルで物事を考えていたのに対し、オシムはもっと広い視野で、日本サッカーがどう発展すべきかを論じていたからです。

オシムは、今回の抽選結果について、悲観することはないが大きな夢を持ちすぎるのは問題だと仰っていたように感じました。
要するに、はっきりいえば今回はまだ突破は無理な可能性が高いと言ってるのです。
そして、その夢を1を100のように扱うメディアをメディアを通して苦言を呈していました。

要は、絶対に負けられない戦いだとか、奇跡をおこせだとか、そういう類のことです。
俊輔を何よりも神のように扱って、単なるエスパニョールの試合を中村俊輔出場予定試合、と銘打つような類のことです。
俊輔はまだエスパニョールで何も成し遂げてはいないのに、ですよ。

2006年大会のことを思い出してください。
オーストラリアに勝ち、クロアチアに引き分け、ブラジルには負けてもしょうがない、で予選突破みたいなことを言ってたでしょ。

個人的には、そういうことをいうのならヒディングとクラニツァールの監督の差からいってオーストラリアとクロアチアの立場は逆じゃないかと思ってましたが、ジーコジャパンを当時冷静に見ていたこのブログを読んでくださるような目の肥えたサッカーファンであれば、ああなることは十分想像がついたはずです。

2002年大会では決勝トーナメントに確かにコマを進めることができましたが、あれは特別なんです。ホームだったんだから。

本物のワールドカップでは、日本は未だ勝ったことがなく、6試合戦って得た勝ち点は1なわけです。
したがって、現実的な目標は、メディアが踊らされるベスト4なんかではなく、初勝利、あるいは一つでも多く勝ち点を積み重ねることが今回、というか当面の目標なのです。決勝トーナメントはそれができてからの話です。

でも、日本人は同じことをまた繰り返そうとしているのです。

組織力は06年より上がりましたが、個々のタレントは明らかに06年より下のレベルです。まぁ日本は個人能力で勝つチームではないので、長所を伸ばしたという点では前回よりはマシかもしれませんが、はっきりいってその程度はたかがしれています。
特に岡ちゃんになってからは。

しかしながら、ここで「さすがオシム」と報じたり感じたりするだけではダメなのです。それではオシムの言葉を真に受け取ったことにはならない。オシムの言葉も、ひとりの意見として公平に論じなければならない。
いいとこは吸収して、駄目なとこはそこは違うんじゃないのと言わなければダメなのです。

オシムだって神様ではないし、すべていってることが正しいとは限らない。いくら代表監督だったとはいえオシムは日本人ではないのだから、外から見ればわかることもあるでしょうが、日本人にしかわからないこともあります。かなりオシムはそれもわかっている方だと思いますが。

それに、目の前に試合が迫っていれば、どうやって勝とうか考えるのは当然のことです。抽選で弱い相手が来てくれることを願うのもまた当然のことです。将来のことなんていってられません。ましてオシムの思い描くような将来に、その選手たちはとっくに引退しているでしょうから。

しかし、それを含めても、日本人はオシムに感謝すべきです。
僕も含め、こういうことをいいおじいちゃんとしてブツブツ独特の口調で叱ったり皮肉ったりして、こういったことを考えるきっかけを与え、気づかせてくれるのですから。